私は山梨県に住む63歳のイタコです。私の考え方が、あなたの部屋探しのお役に立てれば嬉しいです。

最近、借家の契約にも変化が生じています。それは「定期賃貸借契約」の登場です。貸主のメリットは、契約期間が満了すれば更新されることなく目的物が自分の手元に戻ってくるということです。具体的には、転勤中の会社員が地方都市へ転勤している間だけ自分の持ち家を他人に貸すということがやりやすくなりました。転勤が終わったときにはまた自宅を使うのですから、必ず返還してもらわなければ困ってしまうからです。従来の借家契約については契約期間の上限は無くなっています。以前は20年以内という制限がありました。ただ、期間が満了しても「正当な理由」がない限りは契約更新がなされてしまい、借主の使用継続意思がある限り契約が継続してしまうものでした。

この点、定期賃貸借契約は期間が満了すれば契約が終了するので借主の事情が考慮されなくなっています。本来、借地借家法は立場の弱い賃借人を保護する目的が強い法律です。通常の借家契約では契約方法に決まりはなく、極端に言えば口頭での約束でも有効でした。この点、定期賃貸借では必ず「書面」による契約でなければならないとしました。その上で別に本契約が定期賃貸借であることを書面で交付しなければならないとされています。この書面には期間満了により契約が終了し更新がないこと、を明記します。その上で借主への説明義務も課しています。契約期間で言えば定期賃貸借契約は一年以内の契約も有効です。通常の借家契約では期限の無い契約とみなされてしまう点が異なります。