賃貸借契約物件の退去時の注意点(鳥取県/オートレース選手/55歳/男性)

僕は鳥取県に住む55歳のオートレース選手です。僕の考え方が、あなたの部屋探しのお役に立てれば嬉しいです。


賃貸借物件を退去する際に、なにかと問題になりやすく、近年もなにかと問題化しているものが、「原状回復義務」とそれにともなう「敷金返還問題」です。このような問題に直面した場合に、どう対処すればいいのかをあらかじめ知っておけば、トラブルを未然に防ぐことができます。ではそのような問題に対して、どのような点をおさえておけばいいのでしょうか。まず退去時に問題になるのは、「原状回復義務」というものです。これは賃貸借契約で対象となる物を、借りた時点の状態にして返還しなければならないというものです。そして近年問題として取り上げられているのは、この「原状回復義務」に関わるものです。つまり部屋を賃借した場合、傷やシミをつけた場合は、それを修復するか、その修繕費用として敷金から引かれるかしなければならないという事ですが、これは相当のものなのでしょうか。


この点、法が定めている「原状回復義務」とは、「社会通念上、通常の用途で使用された際の傷やシミは、使用収益において当然に想定されるものであり、賠償の必要性はない」とされています。つまり普通に生活しているレベルで発生した傷やシミは、賃借人が修繕する義務はないのです。この法解釈は、かなりの範囲で適用されます。ここで言う「原状回復」とは、はっきり言えば、「壁を壊して二部屋を一部屋にした」とか、「洋室を和室に改造した」ような場合に適用されるもので、「寝タバコの際の焦げ」のような過失でもない限り、賃借人が責任を問われる事はないのです。よってそのような重大な故意・過失による損害でもない限り、敷金は普通に返ってくるものです。そのようなマンション・アパート等の賃貸借契約の退去時には、そのくらいの知識は、持っているべきでしょう。