私は三重県に住む51歳のルポライターです。私の考え方が、あなたの部屋探しのお役に立てれば嬉しいです。
賃貸住宅に住むための手順といえば、不動産会社に物件を紹介してもらい、自分の希望する条件と合致するものが見つかったら家主に敷金・礼金を支払って賃貸契約を結び、不動産会社には仲介手数料を支払うというのがまず標準的なところです(主に東日本の場合)。ところでこの仲介手数料ですが、家賃の1ヶ月分相当というのが相場になっています。なぜたいていの不動産会社が横並びで同じ額に設定しているかというと、これは法律上の規定があるからです。宅地建物取引業法という法律及びそれに関連する告示によると、仲介によって受け取ることのできる手数料の額は家賃の1ヶ月分以内であることと定められています。つまりこの規定に基づいて、上限いっぱいに設定されているのが現行の一般的な仲介手数料というわけです。
しかし、この規定を詳しく見てみると、実はこの限度額は貸主及び借主から受け取る額の合計について定められているのです。ですからたとえば貸主と借主による折半、つまり入居者側は0.5ヶ月分だけ支払うという契約でも法令上は別に問題ありません。ただ、今の日本の賃貸住宅事情においては貸主側の立場が強いため、結果的に借主が全額負担しているケースがほとんどだというわけです。それでも不動産広告などを詳しく見ていると、時折「仲介手数料0.5ヶ月分」と謳っている物件情報を目にすることがあります。こうした物件の場合、2通りの事情が考えられます。1つは上に掲げた例のように、家主が残りの0.5ヶ月分を負担している場合です。もう1つは不動産会社が手数料をディスカウントしている場合です。いずれも空室のままにしておくよりは負担の軽さをアピールして入居者を集める方が有利、という経営判断によるものです。