僕は東京都に住む67歳の宮大工です。僕の考え方が、あなたの部屋探しのお役に立てれば嬉しいです。
賃貸物件を借りる際に最も気にするのは家賃相場です。物件を幾らで貸すかを設定する権利は不動産オーナー側(又は不動産仲介業者)にあるため、設定された家賃水準が妥当かどうかが分からないという人も多いと思います。家賃水準は物件の設備の充実度や広さなどによっても異なるため、一概に比較をする事は容易ではありませんが、物件の設備の充実度や広さが同一であると仮定した場合には、違いを生む要素となるのは交通利便性や周辺環境の充実度、そして建物の築年数等が挙げられます。交通利便性や周辺環境の充実度は分かりやすい要素であり、当然利便性が高い物件ほど家賃は高くなります。また築年数については新築の方ほど家賃が高く、築年数が古い物件ほど安くなるのが一般的です。
この点、物件の設備の充実度や広さが同一であるにも関わらず、物件が建てられた築年数によって差が生じるのはおかしいと感じる人もいるかと思いますが、築年数が古い物件の家賃が安いのは、目に見えない部分での設備の老朽化が進んでいるため、その品質の劣後性を家賃に反映していると言えるでしょう。また、昔は現在よりも賃貸マンションやアパートを建てるために必要となる建築コストが安かったため、オーナーが少し安い家賃を設定しても十分に元が取れるという事も、家賃相場の押し下げに寄与しています。同じ品質の物件であっても、建築コストが高い時期に作られた物件は、家賃を高く設定しないと同期間での建築コストの回収は困難となるからです。