賃貸物件の敷金の定義が明文化されそうです(埼玉県/声優/25歳/女性)

私は埼玉県に住む25歳の声優です。私の考え方が、あなたの部屋探しのお役に立てれば嬉しいです。


民法第619条第2項には、賃貸借契約の敷金に関する記載が存在しています。しかし、その定義に関する記載が一切存在していないために、これまで数多くのトラブルが発生していました。あまりにもトラブルが多発するために、国土交通省が「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」を作成していましたが、このガイドラインには法的効力が全くありませんので、期待するほどの効果が得られていません。そこで、法制審議会・民法部会が敷金ルールを含む民法改正原案をまとめあげ、2015年の通常国会に提出することを予定しています。この民法改正案が国会で認められれば、1896年の民法制定以来初めて行われる抜本的な改正ということになります。


 今回、法制審議会・民法部会がまとめた改正案は、債権法分野の改正に関するものです。現在は債権の種類によってマチマチになっている消滅時効の期間を一律5年にしようとする案や、中小企業の経営者が金融機関で融資を受ける際に求められることが多い個人保証を原則的に禁止とする案などが盛り込まれています。中でも一番注目を集めているのが、敷金ルールの明文化です。これまでは、国土交通省によるガイドラインしか頼れるものがなかったのですが、民法上ではっきりと定義されるようになれば、敷金をめぐるトラブルの発生を回避することができるようになると期待されています。改正原案では、敷金のことを「家賃などの担保」と定義しています。また、部屋の引き渡しと同時に貸主に返還義務が発生することも明記される予定ですので、泣き寝入りを避けることができそうです。