僕は三重県に住む63歳の都市計画コンサルタントです。僕の考え方が、あなたの部屋探しのお役に立てれば嬉しいです。
最近、礼金0円の賃貸物件が増えてきています。入居者にとっては大きなメリットになりますが、これらの物件が増えているのには理由があります。そもそも礼金とは、部屋を貸してくれる大家さんに感謝の気持ちを込めて支払う謝礼のようなものです。昔からある慣習で、今も続いています。実際は、家主さんではなく、不動産会社が入居者を探してくれたお礼、仲介してくれたお礼に支払われるケースが多いようです。金額は不動産会社によって異なり、礼金を多く徴収する風習のある関西地方では、敷金より1ヶ月分多く支払う物件が多い傾向にあります。また敷金とは異なり、お部屋を貸してくれたお礼に支払うものなので、払ったお金は基本的に返還されません。
これらの物件が増えた理由のひとつは、空室が増えてきたことです。入居者が決まらず、いつまでも空き室のままでは、大家さんはローンの返済に困ってしまいます。そのため、空き室にしておくより、礼金を0円にして入居者を見つけた方が得だと考えているのです。もうひとつは、大家さんが公的融資を利用して建物を建てた場合です。大家さんが賃貸物件を建てるときに、公庫融資や年金融資などの公的機関による住宅融資を利用した場合は、礼金を受け取ってはいけない決まりになっています。UR賃貸住宅や、公社など公的機関が貸主となる物件の場合も同様です。つまり、賃貸供給数が増えた時代に沿った流れであり、結果なのです。入居者にとっては喜ばしいことで、困る事は何もありません。