賃貸に礼金は必要なのか(茨城県/校長/56歳/女性)

私は茨城県に住む56歳の校長です。私の考え方が、あなたの部屋探しのお役に立てれば嬉しいです。


賃貸の初期費用の一つに礼金があります。礼金とは文字通りお礼のお金であり、賃借主が賃貸主に対して「部屋を貸してくれてありがとうございます」という意味で支払います。よって敷金のように退去時に返還してもらうことはできません。礼金の始まりは戦後の東京だとされています。その当時、田舎から出稼ぎに上京してくる者が多く、しかし今のように十分な情報源がなかったため部屋を貸してくれる大家さんに頼るしかありませんでした。そのため、「ご迷惑をおかけします」という意味でお金を包んで渡したことから現在までに風習として根付いたとのことです。よって関西圏周辺に見られる初期費用であり、関西や東北にはないとされている費用です。


さて、ここでの問題は今のこの時代に礼金は必要なのかということです。今は上京しても誰にも頼ることなく一人で生きていくことは十分に可能な時代です。それに家賃を支払って部屋を借りるわけですから、果たしてお礼をする必要があるのでしょうか。むしろ、このようなシステムがあるのなら逆に部屋を借りるお礼をもらってもいいんじゃないかという考えもできてしまいます。そのため最近では見直されるケースも増えてきており、契約上支払うことになっていても実は交渉次第で減額または免除してもらうこともできるのです。また、初めから礼金なしで提供している賃貸も増えてきています。相場としては家賃の2か月分となっており決して安い金額ではありませんので、この辺もよく検討して決めましょう。