僕は奈良県に住む46歳の通訳案内士です。僕の考え方が、あなたの部屋探しのお役に立てれば嬉しいです。
大阪、兵庫、奈良、和歌山などへ、他の地域から引っ越して行く人は、事前にその地域に存在している不動産取り引き上の商習慣を調べておくようにした方がよいでしょう。住まいに関する取り引きは、地域性が最も顕著に現れる取り引き分野であると言われています。大阪、兵庫、奈良、和歌山などで賃貸住宅を借りる場合には、敷金や礼金がない代わりに、保証金という独特の初期費用がかかります。これは、あらかじめまとまった額の費用を賃貸住宅の貸主に払っておき、退去する際には、その一部を敷引きとして償却することを約しておくシステムです。多くの場合、家賃相当額の半年分以上の保証金が必要になりますので、まとまった資金を用意することができないと、部屋を借りることができません。
首都圏周辺から大阪や奈良などへ引っ越して行った人が、現地で賃貸物件を借りようとして保証金を請求され、その金額の高さに驚きトラブルになってしまうというケースがよくあります。資金・礼金システムが当たり前になっている人からすると、保証金システムはなかなか納得しずらいシステムであることは確かです。しかし、郷に入っては郷に従えという言葉があるように、その地域の商習慣を無視して賃貸契約を結ぶことはできません。それ以外にも、こまかな部分で違いがありますので、遠方に引っ越す場合には、あらかじめ現地の商習慣を調べてみておくのが賢明です。敷金・礼金システムが全国共通の制度だと勘違いしている人が少なくありませんが、決してそうではないのです。