賃貸住宅の敷金について(徳島県/翻訳家/71歳/男性)

僕は徳島県に住む71歳の翻訳家です。僕の考え方が、あなたの部屋探しのお役に立てれば嬉しいです。


アパートやマンション、一戸建てといった賃貸住宅を退去する際、借り主と貸し主の間で敷金の返還をめぐるトラブルが後を絶ちません。敷金とは、借り主が入居期間中に家賃を滞納したり、火災を起こすなどして高額な修繕費が必要になったりといった不測の事態に備え、入居時に貸し主に預ける保証金です。通常は退去時に借り主にただちに返還されるべき性格のお金ですが、貸し主の中には次の入居者に備えたハウスクリーニング代や畳、ふすまの交換費用などの原状回復費用を差し引くケースがあり、納得できない借り主との間で対立に至っています。こうした事態を重く見た国は、来年予定されている民法改正に合わせ、新たなルールづくりを検討しています。


従来の民法では、敷金について定めた条項はあるものの、どのような性格のお金であるかという定義や、貸し主の返済義務は明文化されていませんでした。このため、不動産の現場では長年、貸し主の裁量で敷金の取り扱いが事実上決められてきました。現在検討されている民法改正案では、敷金を「家賃など金銭債務を担保する目的で、借り主が貸し主に対して交付する金銭」と定義される見通しです。家賃の滞納などトラブルがあった場合は速やかに必要額を差し引けるようにする一方で、トラブルがなかった場合は、退去時に速やかに借り主に返却すべきお金であることを明確にうたった内容となります。借り主、貸し主双方の認識が深まり、不毛なトラブルが減少する効果が期待されています。