賃貸住宅の更新料の昔と今(新潟県/鋳物工/44歳/女性)

私は新潟県に住む44歳の鋳物工です。私の考え方が、あなたの部屋探しのお役に立てれば嬉しいです。


賃貸住宅の契約を更新する時には、更新料を払わなければならないところが多いです。借主側にとっては避けたい出費の一つですが、ではそもそもこの習慣はどうやって生まれたのでしょうか。戦前の都市部では、人口増加で慢性的な住居不足の状態でした。都市部に住むことを希望する人は、何とか住居を探し住み続けたいと思っていました。一方貸主側は、当時発令された物価統制令により、家賃を上げることができず困っていました。そこで貸主たちは、借主が契約を更新する際、料金を徴収することを思いつきます。これが更新料の始まりです。つまり、貸手有利の当時の賃貸住宅市場と、当時の政府の経済政策という諸環境により、この習慣は生まれたのです。


ひるがえって現在では、空室があり入居者募集に苦労しているような物件では、新しい借主を確保するため、また現在の入居者に住み続けてもらうために、更新料を廃止する貸主も出てきました。人気物件では更新料をとり続けているところも多いようですが、貸主側も市場環境の変化とともに、柔軟に対応しているようです。借主側としては、こうした傾向はありがたいことです。もし、今住んでいる物件の他に、今よりいい条件で入れるような物件があれば、貸主に更新料の値引きをお願いしてもいいでしょう。予算の問題で他へ引越さざるを得なくなるかもしれない、少し安くならないだろうか、と持ちかけるのです。貸主も状況次第では応じてくれる可能性が高くなります。