私は香川県に住む53歳の建設コンサルタントです。私の考え方が、あなたの部屋探しのお役に立てれば嬉しいです。
礼金とは、主に東京を中心に広まったもので、北海道などではあまり見られない賃貸契約費用です。ルーツについては諸説ありますが、もともとは、戦後の焼け野原で住むところがない人たちが「大家さん貸してくれてありがとう」というお礼の意味で包んだことが始まりと言われています。今ではただの慣習に過ぎないにも関わらず、未だに礼金が存在しているのはなぜなのでしょうか。答えは簡単です。礼金の一部は大家が不動産屋に払う紹介手数料に充てているからです。昔からの慣習として定着してしまっているため、それが当然のこととして行われているのが現状です。つまり、大家が払うべき紹介手数料を、借り手が代わりに支払ってあげているのと同じことになります。
しかし現状では、払わないと部屋を借りることが難しいのも事実です。近年は物件が増えすぎて埋まらずに余っているので、年々借り手側の立場のほうが強くなってきています。そのため、今後は礼金制度は徐々に減少に向かうでしょう。敷金と違い、礼金は退去時に決して返還されることはありません。なぜなら、基本的に、入居契約時に返還されない旨の説明をされているはずだからです。このようなことを防ぐためにも、借りる際に一度、支払いするかどうかや金額のことについて交渉してみることをおすすめします。また、払うかどうかや金額についても地域によって内容に格差があるため、一律に全国同じではありません。賃貸住宅でも、公営住宅では貸し手側が受け取ること自体を禁止されていたりもします。