賃貸住宅の礼金は交渉次第で安くなる(宮城県/クリエイティブ・ディレクター/33歳/男性)

僕は宮城県に住む33歳のクリエイティブ・ディレクターです。僕の考え方が、あなたの部屋探しのお役に立てれば嬉しいです。


賃貸住宅に入居するとき、家賃1か月~2か月分の礼金を要求されることがあります。これは主に関東地方の習慣で、それ以外の地域では必ずしも一般的ではありません。このお金は大家さんへの感謝の気持ちを表すものとされていますが、実態としては部屋の清掃や修理費用に充てられたり、仲介業者への手数料として支払われたりすることが多いようです。これに対して敷金は、万一家賃を払えなくなったときの担保として預けておくものですから、契約が終わったら入居者に返還されます。なお関西などでは敷引といって、退去するとき敷金の一部が差し引かれることがあります。この差し引かれた部分に関しては、礼金と同じ性質を持つと考えてもよいでしょう。


近年では賃貸住宅の空室が増加傾向にあるため、礼金不要の物件も増えてきました。といっても単なるディスカウントではなく、かわりに鍵交換費や火災保険料など具体的な費用を請求されるため、トータルでは大きな負担減になっていないという指摘もあります。しかし傾向的には礼金も敷金も不要という物件が、今後とも増えていくと考えられます。大家さんにとっては空室が最大のリスクですから、少しでも入居を促すために費用を安く見せようとします。何に使うのか明示されていない礼金は、入居するときの交渉で値引きしてもらいやすい費用と言えるでしょう。家賃を負けてもらうよりは簡単で、大家さんにとっても心理的な抵抗が少ないため、交渉に成功する確率は低くありません。