賃貸借における敷金と法律について(佐賀県/水先案内人/61歳/女性)

私は佐賀県に住む61歳の水先案内人です。私の考え方が、あなたの部屋探しのお役に立てれば嬉しいです。


最近、民法改正の原案が出されました。この、改正要綱原案において敷金を「賃料などの担保として借り主が家主に交付する金銭」と定義して、基本的なルールを示しました。これは、今までの判例の蓄積の上に立った改正なので反対意見も特になく、民法改正が実現すればこの通りになるでしょう。つまり、敷金とは前記の通り担保です。例えば、契約終了時に未納の家賃があるだとか、賃貸物件に損耗があったなどといったときに、まずは敷金で充当して、それでも足りなかったら賃借人に損害賠償の請求が来ることになります。逆に、このようなものが何もなければ、敷金は契約終了後に賃貸人が賃借人に返還することになります。トラブルが多いのはこの返還についてです。


賃借人は借りた物を元に戻して返還しなければならないことは当然です。では、この費用は具体的に誰が支払うのでしょうか。国土交通省が定めたガイドラインによると、経年劣化や通常の使用の範囲内での損耗については賃貸人負担とされています。他方、賃借人の故意・過失や通常の使用の範囲を超えるような損耗は当然賃借人負担です。例えば、日焼けした壁紙の交換であれば賃貸人負担でしょうが、タバコの煙などで黄ばんだ壁紙の交換であれば賃借人負担になるかもしれません。具体的個別的に考えれば微妙な例も多いのです。ただし、このガイドラインが示したルールについて特約によって別の取り決めをすることもできます。賃貸借契約を結ぶ前にはどのようなルールなのかチェックしておくべきでしょう。