僕は富山県に住む62歳のジャーナリストです。僕の考え方が、あなたの部屋探しのお役に立てれば嬉しいです。
賃貸物件を借りる際に、賃貸契約を結ぶと支払わなければならないものとして、「礼金」というものがあります。これは元々は部屋を貸して下さる大家さんへの感謝の気持ちと、「よろしくお願いします。」という挨拶の気持ちを表現するために、借りる側が包んだのが始まりと言われています。これによって、大家さんには住む人の世話をする責任が生じました。(戦後に住むところがなかった人が始めたとも、東京に上京して行く単身赴任者や学生などの親族が始めたとも言われています。)しかし、現在ではその意味を知る方も少なくなり、「礼金」というのは、単なる慣習に過ぎなくなっています。これは主に東京を中心に全国に広まったものですが、例外的に北海道では行われていないという特徴があります。
礼金の平均額は家賃の1・2ヶ月分です。では、これはどのような目的に用いられているのでしょうか。最も一般的なものとしては、大家さんが不動産屋さんに支払う紹介料です。他にも、賃貸契約を結んでもらったお礼、賃料の前払い、退去後に空室期間が出来た時の穴埋め料、原状回復のための費用などの意味があります。しかし、このようなお金は、退去時に一切返還されないので、注意が必要です。また、現在ではこのような制度は減少傾向にあり、「敷金・礼金0円」をセールスポイントとした物件も増えていますし、契約時の交渉次第で安くなる可能性もありますから、試してみるのも悪くないでしょう。さらに、この制度は東京で生まれたものなので、地域によって価格に格差があります。