私は岡山県に住む68歳の弁理士です。私の考え方が、あなたの部屋探しのお役に立てれば嬉しいです。
部屋を借りる際には、礼金、敷金、保証金など様々な費用がかかります。敷金と保証金は同じような意味合いで貸主に預ける費用のことです。原則としては退去時に借主に戻ってくる費用になりますが、敷金や保証金の返還をめぐるトラブルは賃貸契約において最も多いと言われています。そのため国土交通省では1998年に「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」を作成しており、2011年には改訂版が出されています。また、2012年には同じく国土交通省から「賃貸住宅標準契約書」の改訂版が発表されました。さらに、東京都では2004年に賃貸住宅紛争防止条例が施行され、それに伴い「賃貸住宅トラブル防止ガイドライン」を定めています。
国土交通省のガイドラインでは、原状回復費用について、借主の通常の居住や生活による物件の破損・消耗は貸主負担、借主の故意や過失による物件の破損・消耗については借主が負担するとしています。例えば、床に関しては、家具や家電を置いていた場所の床のへこみや跡は貸主負担で、食べ物や飲み物をこぼしてできたシミやカビなどは借主負担、壁に関しては、日差しなどの自然現象による壁紙の変色や画鋲の穴は、下地ボードの交換が不要な程度では貸主負担で、下地ボードの交換が必要なほどの穴は借主負担と言うような感じになります。なお、賃貸住宅標準契約書はガイドラインを反映した内容になっていますが、契約時に使用が義務付けられているわけではありません。