賃貸物件の敷金を返してもらう方法について(兵庫県/音楽評論家/24歳/女性)

私は兵庫県に住む24歳の音楽評論家です。私の考え方が、あなたの部屋探しのお役に立てれば嬉しいです。


賃貸物件絡みのトラブルで最も多いのが敷金の返金をめぐるトラブルです。敷金というのは、部屋の借主が部屋を明け渡すまでに生じた貸主に対する一切の債権を担保するための費用です。たとえば、家賃を滞納していたような場合であれば、滞納していた家賃がここから差し引かれることになります。また、借主の故意や過失によって生じた損害がある場合には、その損害賠償金もここから支払われることになっているのです。それらの費用を差し引いた上で残金があった場合には、当然お金を返してもらえることになっています。ただし、どの範囲の費用を敷金でカバーすべきかという点に関する認識が、貸主と借主の間で大きく異なっているために、返金額をめぐるトラブルがしばしば発生しています。


 なぜトラブルになってしまうことが多いのかというと、明確な法律が定められていないためです。国土交通省が公表している「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」というものがありますが、これに法的強制力はありませんので、トラブルの有効な防止策にはなっていません。でも、できるだけ多く敷金を返してもらいたいと考えるのが当然です。そのためには、まず退去時の点検には借主も必ず立ち会うようにすることが大切です。また、入居時に傷や汚れなどのチェックシートを作成しておくと便利です。入居当初から目立つ傷があった場合には、日付入りで写真を撮っておくと、自分の責任ではない傷だということを証明することができます。近時、敷金の取扱を民法上明確にしようという動きが出てきていますので、今後はトラブルが減少するものと期待されています。