賃貸物件を退去する際には(東京都/料理研究家/35歳/男性)

僕は東京都に住む35歳の料理研究家です。僕の考え方が、あなたの部屋探しのお役に立てれば嬉しいです。


賃貸物件に入居する契約を結んだ際に、様々な諸費用を支払っているはずですが、そのうちの敷金の部分は預け金的な性格の費用ですので、基本的には退去時に返金されます。なぜわざわざ「基本的には」と書いたのかと言うと、敷金は居住中に借主が貸主に対して負った一切の債権を担保するための費用であるからです。つまり、滞納している家賃があれば、その分が差し引かれることになりますし、誤ってつけてしまった傷などがある場合には、その修理費用が差し引かれます。ですので、場合によっては、1円も敷金を返してもらうことができないだけでなく、不足分を請求されてしまうようなこともあります。他人から部屋を借りて住む以上、丁寧に取り扱うのがマナーですが、敷金をたくさん返してもらいたいのであれば、尚更です。


 ただし、居住中につけた傷や汚れの全てを、借主の責任で修理しなくてはならないわけではありません。ごく普通に生活してきた中で発生した経年劣化の部分などまで、借主がその修理費用を負担する必要はありませんので、もしも請求されてしまった場合には、きちんと拒否するべきでしょう。多くの建物賃貸借契約で、退去時のハウスクリーニング費用を借主の負担とする特約が結ばれています。なので、敷金からハウスクリーニング代が差し引かれてしまうのは仕方がない部分があります。ですが、それとは別に、クロスの電気焼けなどを指摘されて全面張り替えを要求されたような場合には、誰でも負担を拒否することができます。なぜかと言うと、クロスの電機焼けは、貸主側が責任を負うべき経年劣化の一種であると考えられているからです。