私は高知県に住む70歳の声優です。私の考え方が、あなたの部屋探しのお役に立てれば嬉しいです。
初めて賃貸住宅を自分で契約するときは、誰しもワクワクするのではないでしょうか。育った実家が借家であっても、それはあくまで保護者が選択した家で、自分の価値観で選択した家ではないのですから。賃貸住宅を初めて自分自身で契約するときには、自ずと自らの住居や生活に対するその時点での価値観が反映されるはずです。限られた予算のなかで、全ての希望条件を満たす物件は存在しない場合が普通でしょうから、どの条件は譲歩できて、どの条件は譲れないか、といった判断を無意識にでもしていることになります。これを繰り返していると、自分が生活基盤に求めるものが分かってくるようになります。単に経済的に自立するという意味だけでなく、生活スキルの一部を身に付けるとても良い経験になります。
また、実際に賃貸住宅で生活を始めるまでに、引っ越しや公共料金の手配、荷物の整理等、色々と行うことが出てきます。また、物件の所在するエリア等によって、入居時に近所に挨拶をしたほうがよいのか、しないほうがよいのか、するなら何か持参したほうがよいのか、といった一見些細にみえる細かな作業も出てきます(ちなみに、都内の不動産会社に訊くと、一人暮らしの女性の場合は特に、敢えて隣近所に挨拶に行かないよう勧める場合も多いです。自ら女性の一人暮らしをアピールするのは危険だからです)。引越し作業一つとっても、捨ててよいものか残しておきたいものか、など、小さいけれど自分の価値判断の基準が表れることの連続です。特に若いうちにこういった判断を積み重ねていくと、後々色々な場面での判断の助けになることでしょう。