僕は静岡県に住む41歳の漫才師です。僕の考え方が、あなたの部屋探しのお役に立てれば嬉しいです。
首都圏周辺に住んでいる人の場合であれば、賃貸物件を借りる際には敷金と礼金が必要になるのがごく当たり前であるという感覚を有している人が多いですが、これは決して全国共通のシステムではありません。敷金の方だけを考えた場合ですと、多少呼び名や金額などに違いはありますが、どこで部屋を借りる場合でもほぼ確実に発生してくる性質の費用となっています。しかし、礼金の方はそうではありません。北海道や東北地方には、礼金というシステム自体が存在していない地域がありますし、あったとしても非常に金額が低くなっているのが普通です。一方、関西地方の場合には、礼金や敷金という名称ではなく、敷引きや保証金という名称の費用が発生するようになっているのが一般的です。
なぜ首都圏で礼金というシステムが一般的になっているのかと言いますと、もともとこの費用自体が、終戦後に一面焼け野原になった東京で誕生した独特な費用だったという由来を持つためです。東京は終戦の年の3月にあった東京大空襲のために多くの建物が焼け落ちてしまいました。もともと人口が非常に多い場所でしたので、終戦後は住む家を失って困ってしまう人が大勢出現することになりました。そのため、貴重な部屋を貸してくれる大家さんに対して特にお礼をする意味合いで始まった習慣だと言われています。現在は賃貸用の部屋が有り余っているような状況ですから、「部屋を貸してくれてありがとう」などという気持ちを込めて支払っている人はほとんど存在せず、単なる商習慣として支払われているのが実情です。