賃貸物件の礼金が果たしている役割について(北海道/染織家/39歳/男性)

僕は北海道に住む39歳の染織家です。僕の考え方が、あなたの部屋探しのお役に立てれば嬉しいです。


賃貸物件を借りる際に発生する初期費用の中に、礼金という名目の費用が含まれている場合が多いです。これは主に関東地方を中心に浸透している商慣習の一種なのですが、このような費用を支払う習慣が全くない地域に住んでいた人が上京していざ賃貸物件を借りようとすると、見慣れない名称の費用が書かれているのでビックリしてしまうケースがよくあります。気に入った物件を優先的に借りることができるのであれば、多少余分な費用を負担することになっても構わないと考える人もおりますが、賃貸希望者が何人も競合するような人気物件は滅多にありません。逆になかなか借り手がつかずに困っている物件の方がたくさんあるのが実情ですから、借主の方が貸主からお礼してもらいたいくらいだと考える人が少なくありません。


 そのために最近では礼金を0円にしたり半額にしたりする物件が増えてきています。その一方で、相変わらず家賃2~3ヶ月分の礼金を取り続けている物件も数多く存在します。この礼金は、名目上は貸主に対するお礼として支払われることになっていますが、現実的には不動産会社の懐に入るようになっている場合が多いです。近頃は賃貸物件が有り余っているような状況ですから、そのような中で確実に借り手を見つけ出してもらう代わりに、宣伝広告費名目で不動産会社に対し礼金を回している貸主が大勢います。実際に、多くの入居希望者を募るためには、不動産会社としてもある程度宣伝広告費をかけざるを得ないのが実情です。その結果、今や、物件の貸主の懐にお金が単純に入っていくようになっているケースは非常に少なくなってきています。