僕は富山県に住む21歳の海事代理士です。僕の考え方が、あなたの部屋探しのお役に立てれば嬉しいです。
賃貸物件の礼金は、全国共通の制度というわけではありません。九州や関西地方の一部には、このようなシステムが存在せず、全く異なる商習慣が存在しています。礼金があるのが当たり前になっているのは、主に関東地方周辺です。それは、この商習慣がもともと関東地方で誕生したという歴史を持っているためです。いくつかの説がありますが、第二次世界大戦後の住宅難の際に、部屋を貸してくれた大家に対して「部屋が足りないのにも関わらず、自分に部屋を貸してくれてありがとう」という意味を込めてお礼のお金を贈るようになったのが、この習慣の始まりだと言われています。また、地方から就職や進学などで上京した子供の面倒をみてくれる大家に対し、田舎に住む親が「よろしくお願いします」という気持ちを込めて贈るようになったという説もあります。
いずれの説を採用するにしても、現在の賃貸市場の状況には、全くマッチしていないことだけは確かです。最近は、借り手がつかずに長期間空室のままになっている賃貸物件がたくさんありますので、「わざわざ部屋を借りてくれてありがとう」と大家の方が借主にお礼のお金を払ってもよいくらいです。また、借主の世話を大家自らが親代わりになってやっているケースなど、ほとんどありません。実情には全く合わなくなってしまった礼金が、単なる商習慣として残っているだけですので、この費用を支払うことに対して疑問を感じる借主が増えてきています。そのため、近年では、敷金は徴収するものの、礼金に関してはゼロ円にするというケースがかなり多くなってきています。