賃貸物件の退去時に返還される敷金の相場(埼玉県/再開発プランナー/50歳/女性)

私は埼玉県に住む50歳の再開発プランナーです。私の考え方が、あなたの部屋探しのお役に立てれば嬉しいです。


賃貸物件を借りる時は「敷金」が必要になります。賃料の支払いや原状回復義務などの債務を担保する目的で、貸主が借主から契約時に預かるお金です。借主が家賃を滞納した場合や、夜逃げした場合など、貸主が安心して部屋を貸すための担保とするために、前払い制になっています。礼金とは違い、借主が貸主に一時的に預けるお金であるため、退去する時に全額戻ってくるのが原則のはずですが、全額戻ってくるケースはほとんどないのが現状です。実際は敷金の半分が戻ってくればいいところで、だいたい25%ほどしか戻ってこない場合が多いようです。返還率や金額は、管理会社や貸主によってバラバラです。そのため、敷金トラブルは後を絶たず、少額裁判になるケースもあります。


あまりにもトラブルが多いため、国土交通省がガイドラインで、借主が負担するのは通常の使い方以上の暮らし方をして損耗した部分の原状回復義務で、通常の使用や経年による劣化費用は賃料に含まれることを定めています。そのほか、東京都では敷金精算条例が実施されたり、最近は、敷金トラブルを借主の代わりに交渉して解消してくれる会社が登場するなど、トラブルを解消する動きが活発になっています。ただし、借主も注意が必要です。まず、部屋を借りたら大切に使って暮らす義務があります。できるだけきれいに使って暮らせば、返還額も高くなります。また、契約前に原状回復の費用負担をちゃんと理解しておくことが大切です。契約前にわからないことは確認して、納得できない場合は契約しない決断も大切です。