賃貸契約での敷金の歴史(千葉県/外交官/46歳/男性)

僕は千葉県に住む46歳の外交官です。僕の考え方が、あなたの部屋探しのお役に立てれば嬉しいです。


賃貸契約のときに必要となる費用に前家賃・敷金・礼金があります。現在では、前家賃以外は不要という物件も珍しくなくなっております。しかし、その分は毎月払う家賃に事実上上乗せされ割高となっている場合が見受けれます。敷金は、家賃の滞納や物件の損傷など貸主である大家が被るかもしれない将来発生しうる損失に備えた保証金と一般的には理解されております。 保証金としての預かり金なので、解約した場合は入居者に返還されるはずなのですが、解約退去時に入居者が負担する物件の補修や修繕の費用に充てられるとして、ほとんど戻ってこないのが一般的です。なお、欧米でも、ホテルの宿泊料金とは別にデジポッドと呼ばれる保証金をフロントに預ける慣例があります。


賃貸契約での敷金の歴史は古く、江戸時代にさかのぼることができます。落語に登場する長屋は、今でいうところの集合住宅の賃貸物件です。「大家と店子は親子も同然」と、貸主の大家と入居者の店子は現代とは違った密接な人間関係を求められた時代なのでした。しかし、家賃は毎月滞りなく支払わなくてはならないのであります。保証金としての敷金も現代と同じような意味合いで存在していたようです。 江戸時代には、結婚するときに嫁の実家が持たせる持参金を敷金と呼んでいたそうです。これは嫁が旦那にたいする保証金という意味合いのもので、離婚するときは嫁の実家に返還されるというのが決まりであったようです。これを改めて考えると、「嫁を貰う」とはいいますが、ある意味で賃貸なおかもしれませんね。