賃貸で必要となる礼金の歴史(青森県/アイドル/33歳/女性)

私は青森県に住む33歳のアイドルです。私の考え方が、あなたの部屋探しのお役に立てれば嬉しいです。


住居の賃貸契約のときに掛かる費用と言えば、前家賃・敷金・礼金というのが一般的にです。これらをそれぞれ数カ月分に相当する金額を用意しなければ賃貸契約は成約しません。敷金は、いわゆる保証金といえるものと理解されています。江戸時代から入居者となる店子が大家に預け置く保証金としての敷金の慣例が今に継承されている者です。欧米でもデジポットとよばれる保証金があります。賃貸のみならずホテルに宿泊するときにも宿泊料金とは別にデジポットの預かり金をフロントに支払う場合があります。しかし、礼金というのは日本独自の賃貸契約の慣例のようです。いったい誰に対して支払う「お礼のお金」なのか、判然としないまま多くの人が支払っています。


この礼金は、大家さんに対するもので、文字通り「お礼」としてのお金でした。その歴史は、関東大震災の大正時代にさかのぼります。震災被害で東京の多くの家屋が焼失しました。焼け出された被災者の多くが新たに住居を借りなくてはならず、厭いている貸家などはなかなか見つからなかったのです。「前家賃や敷金のほかに礼金を払うから、ぜひ家を貸してほしい」ということで、なんとか貸家に被災者が入居できたようです。時代は下り、戦後の高度経済成長期では、地方から東京に就職のために上京してきた多くの若者が、アパートなどの賃貸物件を借りました。「息子や娘がお世話になる大家さんに、まずお礼を」という意味で、若者の親元がら前家賃と敷金のほかに礼金を付け加えられました。