賃貸住宅における礼金の意味や用途について(山形県/司書/36歳/男性)

僕は山形県に住む36歳の司書です。僕の考え方が、あなたの部屋探しのお役に立てれば嬉しいです。


賃貸住宅に入居する際、入居者は家主に対して礼金を支払うことがあります。礼金は戦後、住宅事情が悪かった関東で賃貸物件の入居契約を結んだ際に、家主に対して感謝の気持ちを示す意味で現金を譲渡したのが全国的な慣習となって広まったものです。現在では家主が不動産会社へ支払う物件の仲介料として転用される他、入居者が退去した際の原状回復の費用として使われることもあります。金額は地域によって異なりますが、一般的には家賃の同額か数か月分の金額を支払うようになっています。また、家主に対して賃貸物件を提供してくれた謝礼として支払われる名目のため、退去時に返還されることはありません。そのため、支払いに関しては注意する必要があります。


近年の生活様式の変化や価値観の多様化、都市の再開発による賃貸物件の余剰化などの要因により、礼金を請求する物件は減少している傾向があります。また、公営住宅の入居契約では一切請求されないのも特徴の一つです。入居者にとって賃貸物件への転居は引越し作業や様々な手続きなど、多額の出費になります。そのため、少しでも支出を抑えるために礼金の請求が無い物件を選ぶ傾向が増加しています。不動産会社も物件の入居率を上げるために、入居時に礼金の請求を行わないケースが増えています。現在の住宅に対する価値観の変化に伴い、一時は全国的に広がった慣習も次第に減少しています。毎日の生活で居心地の良さと潤いを維持するためには、余計な出費は出来るだけ抑えることが不可欠です。