賃貸住宅契約時に必要な礼金について(愛知県/ファッションフォトグラファー/57歳/男性)

僕は愛知県に住む57歳のファッションフォトグラファーです。僕の考え方が、あなたの部屋探しのお役に立てれば嬉しいです。


 賃貸住宅に入居する際、契約を結ぶまでに用意しなければならない費用に礼金というものがあります。これは昔からある慣習で、住む所を貸してくれる大家さんに「ありがとう」という気持ちをこめて渡すものです。ですから、保証金の意味合いをもつ敷金のように、退去時に返還されることはありません。これには地域格差があり、契約時のみに支払うだけでなく、更新ごとに支払ったり、礼金自体がなかったりする所もあります。 その相場は、だいだい家賃の2~3ヶ月分が目安となります。しかし昔と違って現在では、物件の数が多くなって空き家になることを敬遠する貸主が、礼金を減額する場合が増えてきていますから、減額を交渉する余地は大いにあると言えるでしょう。 


 そもそも礼金の意味というのは、戦後間もない頃あたり一面焼け野原の東京で、多くの人が自分の家を失い途方に暮れているなか、住む所を貸してくれる家主に対して心からの感謝の意をこめて包んだものでした。また、地方から進学や就職などで単身上京する我が子がお世話になる下宿先の大家さんに対して、親が「よろしくお願いします」という意味合いで支払ったという話もあります。 現在は時代も変わり、礼金を支払う必要性を感じない人も多く、最近は減額傾向にありますが、それでは家主が損をしてしまいますので、それをゼロにする分、家賃を上乗せする場合もなかにはあります。借りる側にとってどちらが得なのか、住む期間などによって異なり、一概には言えませんが、どちらにせよ、契約前にその点をよく計算して損をしないように注意しなければなりません。