賃貸物件の礼金の性質と支払い(熊本県/板前/22歳/女性)

私は熊本県に住む22歳の板前です。私の考え方が、あなたの部屋探しのお役に立てれば嬉しいです。


賃貸物件を借りる際には、様々な初期費用がかかります。その中に礼金というものがあります。これは、敷金のような、物件の損傷の修繕費用などの担保といった比較的目的のはっきりしたものと違って、あまり意味合いがよくわからないという方も多いのではないでしょうか。ここでは、その礼金について見ていきたいと思います。そもそもこのお金は、戦後地方から大都市に単身赴任者や学生が上京してきた時、彼らの親族が、大家に住む場所を貸してもらったお礼と、何かあった場合に面倒を見てもらうために渡したお金であり、その習慣が今も残っているものです。もちろん、現在は前記のような意味合いは薄れ、形式的に残っているにすぎません。一部では、大家が不動産屋への紹介料にまわしているようです。


礼金は、敷金とは違い退去しても借主のもとへは戻ってきません。賃貸契約を結ぶ際の契約書に明記されている場合は、支払わなければならないものです。ただし、初期費用を少しでも抑えたい需要側のニーズもあり、とらない物件も出てきているため、予算面でお困りの方や支払いに疑問を感じる方は、こうした物件を探してみるとよいと思われます。支払いを明示されているところでも、一度値引き交渉をしてみる価値はあると思います。なお、礼金の習慣は地域によってあったりなかったりするので、地域をまたいで物件をお探しの方は、よく確認したうえ、契約するようにしましょう。このように、礼金の意味合いは当初と比べてあいまいになってきていますので、今後こうした習慣が減少する可能性も十分考えられます。