賃貸物件を退去する時は(山梨県/インダストリアルデザイナー/38歳/男性)

僕は山梨県に住む38歳のインダストリアルデザイナーです。僕の考え方が、あなたの部屋探しのお役に立てれば嬉しいです。


賃貸物件を退去する際には、入居前の状態に戻してから部屋を明け渡す必要があります。しかし、居住期間や居住状況によって大きく変わってきますが、完全に入居前の状態に戻すことは不可能です。なぜかと言いますと、いくら汚したり傷をつけてしまったりしないように気をつけていたとしても、年月の経過による自然損耗までを回避することはできないからです。建材の自然損耗は誰が住んでいたとしても同じように発生しますし、たとえ空室になっていたとしても発生する可能性があります。ですので、この自然損耗部分の修理まで借主が行う必要は全くありません。多くの場合、借主が部屋を明け渡した後で、貸主が専門業者に依頼して部屋の補修がなされますが、その費用を借主が全て負担する必要はありません。


 よくトラブルになるのが、畳やクロスの一部に借主が誤って傷や汚れをつけてしまったケースです。その部分を修理する費用は借主が負担する義務を負いますが、それ以外の部分は修理する義務を負いません。しかし、多くの貸主が、破損部分だけ修理すると他の部分と色が違ってしまうという理由から、全面的な交換をします。和室の場合であれば、畳1枚だけでなく、部屋中の畳全部を新しくすることになりますし、クロスであれば全部張り替えることが多いです。そのこと自体は別に構わないのですが、その費用全額を借主に請求してくる貸主がいます。しかし、経年変化による色合わせの修理費用までを借主が負担する必要はありませんので、請求されても支払いを拒否することができます。